前菜とは、コース料理で最初に出てくる料理のこと。オードブルって言ったりもする。居酒屋で言うところのお通しってやつ。

なに？お通しとオードブルじゃ全然違う？おしゃれじゃないからやめろって？確かにオシャレさは重要かもしれない。でも日本語だって十分おしゃれだと思うんだよね。僕は日本語が大好き。…そもそも前菜が日本語なんだからそのままでいいじゃないかって？野暮なこと言うなよ。書くことなくなるだろ。

からみいりしるかけめし

敵性語って知ってるかな。戦時中の日本には、英語は敵国の言語だから使うなみたいな風潮があったんだ。なかなか短絡的だよね。そんなわけで英語が使えないから日本語でなんとか言い換えようってことになったんだけど、この言い換えがなかなか愉快なんだ。いくつか紹介するね。

まずは有名なところから。「辛味入汁掛飯」知らなくてもなんとなくわかるかな、これはカレーのこと。からみいりしるかけめし。なんだろう、特徴を的確に言い表してるんだけど一気に美味しくなさそうになるね。「油揚げ肉まんじゅう」これも割とわかりやすいかな、コロッケのこと。調理法そのまま。思考の放棄。

サイダーのことは「墳出水」って呼んでたらしい。炭酸水でよくない？たぶん最初に言い出した人、思いっきり振ってから瓶のフタ開けたんだろうな。バカか？

「軍粮精」これなんだか分かる？キャラメルだって。字面がものものしすぎない？軍の守護神的な、屈強な妖精みたいなのが脳裏に浮かんだんだけど。夢に出そうだから勘弁してほしい。

日本語やっぱりだせーじゃん、とお思いかもしれないけどちょっと待って。確かにここまではちょっと様子がおかしかったけど、やっぱり自然を愛する日本人、植物の名前はなかなか雅でいい感じなんだ。コスモスは「秋桜」だし、シクラメンは「篝火草」、ヒヤシンスは「風信子」、プラタナスは「鈴懸木」。ね、なかなかかっこいい感じでしょ？辛味入汁掛飯が一気にかわいそうになってくるくらい。もっとなんかなかったのかな、「印度由来香辛料煮込」とか？ごめんなんでもない。

ぬきさしまがりがねしんちゅうらっぱ

風流な感じを挟んだところで今度は楽器いこう楽器。楽器大好き。なんてったって名前が長い。サクソフォンは『金属製先曲がり音響出し機』、トロンボーンは『抜き差し曲がり金真鍮喇叭』長い。もう意地張らずにサクソフォン、トロンボーンって言いなよ。とはいえこのあたりはまだ、形状をそのまま言い表してるんだな…って納得できる。コントラバスに至っては『妖怪的四弦』だからね。妖怪て。楽器がでかすぎて、楽器から足が生えてるように見えるからかな？奏者の人に失礼じゃないかな？

敵性語だなんて言ってた時代からうってかわって、今ではカタカナ語があふれかえっている現代社会。そんなソーシャルにアサインしていくためにはコンスタントにナレッジをアレしていかないといけないよね。慣れないことしたから最後に語彙が死んじゃったけど許してね。じゃあ今日はこの辺で。

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「オステリア ラ マンテ」

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