それは突然やってきた。江戸時代、鉄砲とその他いろいろのものを携えて種子島にやってきた舶来人。日本人がいかに驚き、また圧倒されたかは「南蛮」という言葉が日本の食文化に残っていることから明らかだろう。
南蛮とはなんぞや
南蛮貿易によってもたらされた唐辛子と、南蛮人たちが好んで食べていたネギはともに「南蛮」と呼ばれていた。そのためネギと唐辛子を使った料理を「南蛮」と称するようになった。例としては「肉南蛮」「鴨南蛮」がある。
もともと「南蛮」とは辺境の未開人に対する蔑称だったが、南蛮貿易がはじまってからは「異国の物珍しいもの」「舶来」くらいのニュアンスで用いられるようになった。次々持ち込まれる目新しいものを見た日本人が、いかにテンション爆上げ状態だったかが伺える。また南蛮から伝わってきた料理はそのまま「南蛮料理」と呼ばれたが、オランダ料理や中華料理、果てはマカオやインドといった南蛮じゃないところの料理もひっくるめて「南蛮料理」と呼んでいたらしい。区別するのがめんどくさかったのか、はたまたそれほど南蛮に心奪われ「もう南蛮のことしか考えられない、超テンアゲ」的な状態だったのかは分からない。どちらにせよ、さすがに大雑把が過ぎるぞ日本人。
南蛮菓子
南蛮貿易によってもたらされた甘味の類は「南蛮菓子」と呼ばれる。カステラ、金平糖あたりが代表的。愛媛県の銘菓である「タルト」も南蛮菓子の一つだ。一般的にタルトというとサクサクの生地にクリームやフルーツを入れた洋菓子を指すが、この「タルト」はその限りではない。薄く焼いたカステラで餡を巻いた菓子で、タルトというよりロールケーキの様相である。洋菓子のタルトと区別するため「愛媛タルト」「松山タルト」とも呼ばれる。
南蛮菓子であり福岡銘菓の「鶏卵素麺」はその名の通り卵で作った素麺である。沸騰した蜜の中に卵黄を細く流し入れて作る、美しい黄金色の素麺だ。その製法から察して頂けるかもしれないが、かなり甘い。例えるなら、カステラにさらに追い砂糖をした感じの甘さだというから相当だ。
同じく福岡銘菓の鶴乃子というのをご存じだろうか。マシュマロ生地の中に黄身あんが入った罪深きお菓子なのだが、この鶴乃子が生まれたのは実は鶏卵素麺のおかげだったりする。というのも、鶏卵素麺には卵の黄身しか使わないので、白身が残ってしまっていた。この残った白身をマシュマロにして黄身あんを詰めたのが鶴乃子の始まりなのだという。結局鶴乃子にも黄身使っとるやないか、というツッコミは無粋なので鶏卵素麺と一緒に飲み込んでおこう。
なんだかんだ言って、南蛮菓子の最大の特徴はとにかく「おいしい」ということだ。理由は簡単、だいたい卵と砂糖がたっぷり使われているからだ。そんなのおいしいにきまっている。おいしいものはたいがいカロリーが高いのだ。
【アクセス】
「でっち」
住所:愛知県名古屋市中区栄2丁目2−35
電話:052-231-4588
営業時間:11時00分~15時00分 17時00分~21時00分 日曜定休
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